SADAMOKUDESIGNは、『共に暮らす家具』をコンセプトにした
ハンドメイドのオリジナル家具ブランドです。
テーブルやチェア、ソファ、キャビネット、ダイニングセット、雑貨など、
素材の持つ個性を活かして、ずっと眺めていても飽きの来ない、素朴な作品を製作しております。
長く使うほど味が出る、当店の家具をぜひお楽しみ下さい。
サダモクデザインのはじまり
サダモクデザインという屋号は自分のオヤジの名前から付けています。オヤジの名前は定逸(サダイツ)といいます。現在ではサダモクデザインで家具職人ですが、数年前まで現役の大工さんでした。
そんなオヤジも70歳を大幅に超えております。数年前にそろそろ現場仕事も大変だろうと思い、オヤジのスキルを最大限生かせて自分が準備出来るお仕事はなんだろう?と考えたときに浮かんだのが家具の製作でした。
最初は趣味の延長線上で相棒の直美ちゃんと二人で家具製作をおこなっていました。段々と注文が多くなってき頃合いにオヤジに声をかけて一緒に家具製作をスタートさせました。
その昔、自分はオヤジと一緒に10年ほど大工さんをやっていたのですが、その後自分は人生の模索を始め紆余曲折をくりかえし、オヤジとおふくろにはいっぱい迷惑をかけてきました。
その罪滅ぼしの気持ちを込めて、オヤジの名前を世の中に刻む事を考えた結果、しかもオヤジに断りもなしに屋号を『サダモク デザイン』に決定しちゃいました。
サダモクデザインの正式名称は『サダイツ木工所』といいます。息子の自分がデザインをおこない、オヤジが家具を作る。そんな理由から『サダモク デザイン』が誕生しました。
サダモクデザインのこだわり
自分自身が『欲しい』とか『カッコいい』と思う家具や雑貨をデザインから製作まで自社で一貫して製作しています。
今現在、自分が欲しくて『カッコいい』と思えるモノがサダモクデザインのプロダクトの根幹です。自分自身が欲しくないモノや、好きじゃないプロダクトの販売はおこないません。
自分が『好き』で『カッコいい』と思えるモノって何だろう?と少し考えてみました。
機能美があるアイテムが好きです。
機能美という言葉が好きです。
シンプルで素朴なデザインのモノが好きです。
普遍的な普通のモノが好きです。
丈夫なモノが好きです。
めんどくさがり屋ですが手間がかかるやつが好きです。
意味を持たない装飾や過剰なこだわりは嫌いです。
キズやシミが付くことは当たり前で、気を使わないで使用できるものが好きです。
歴史が見て取れるアイテムが好きです。
経年変化や劣化が思い出に変わっていく様が好きです。
いじくりたくなる節穴が好きです。
普通であり普遍的であり、良くも悪くも共に歴史を歩める家具や雑貨が好きなモノでした。
何年たっても変わらないデザインの家具や雑貨。本物の素材だからこそ魅せてくれる『経年変化』していく様。これがサダモクデザインという家具屋と、サダモクデザインの作るプロダクトそのものではないかと思います。
サダモクデザイン家具の魅力とは?
【本物の素材だけを使う手作りの家具】
サダモクデザインの家具や雑貨は本物素材のみを厳選して製造しています。ダイニングテーブルやローテーブルをはじめ、AVボードやソファのフレームに使っている無垢材は、国産の杉やヒノキ、北米産のオークやホワイトウッドと木材の種類や産地は様々です。
また、職人が手仕事で磨き上げる無垢材は表情が様々で、職人の技術や感覚やセンスにより同じデザインでもそれぞれに個性を持った家具として生まれ変わります。
サダモクデザインではできる限り、集成材や合板の使用頻度を少なくしています。これは、安価な素材に使用されている接着剤には有害物質が多く含まれるためです。
どうしても合板を使用する際は、シックハウス症候群の原因にもなるホルムアルデヒドなどの有害物質をほとんど含んでいないF値4クラスのものを使用しております。
ソファやクッションに使用しているテキスタイル(生地)は、メーカーや産地、素材の混合比率や染料の安全性にまでこだわっています。岡山デニムをはじめ、国内外から厳選されたテキスタイル(生地)を使用しております。
ファブリック素材はお肌に触れることが多い素材です。丈夫さはもちろん、肌触りや安全性を重視して縫製作業に至るまで細心の注意を払って製作しています。
アイアン(鉄)は厚みが2ミリ前後ある建築用の鋼材を使用しています。簡単に曲がったり凹んだりする0.数ミリのスチール素材ではなく、建築物の骨組みなどで使用されている丈夫な鋼材を熟練の職人が溶接して仕上げています。
例えば、強固なアイアン素材でダイニングテーブルの脚部を製作することにより、反ったり縮んだりする無垢材の個性を強制してくれる働きが生まれます。
異種の素材をハイブリットに組み合わせることによる相乗効果が生まれるのです。塗装が剥げたところから錆が出てきたり、丈夫だけれど重かったりと色々と不便なこともありますが、これが本物のアイアンの持つ個性であり、安心感だと考えています。
本物の無垢材や国産のテキスタイル(生地)にはじまり塗料や接着剤に至るまで、安心して安全にご使用いただくために素材選びには最大限のこだわりを持って挑んでいます。
サダモクデザインでは常にシンプルに素材の良いところと悪いところの双方を生かした家具づくりを目指しています。
【世界に一つだけの家具】
無垢材には木目や節、割れや傷などが必ず存在しています。木目は人間でいう所の指紋みたいなものです。
節はそこから枝が生えていた場所で、ホクロのような存在です。
傷は人間と同様に、材木になる前に樹木が何らかのダメージを受けたところです。割れは樹木の時から入っているものや、製材された後に乾燥などによって生じる場合があります。
節が抜けてしまったり割れなどが出てきたり、反ったり縮んだりと、人によってはデメリットとなる経年変化もあります。しかし人にも癖や個性があるように、無垢材の癖や個性だと思えば身近に感じられ、経年変化を楽しみながら『共に暮らす家具』となるはずです。
また無垢材の木肌には暖かさがあり、木材の香りも良く自然の中に居るかのような気分になることも魅力です。木材の木目は人間の指紋のように全く同じものが存在しません。
更にサダモクデザインではハンドメイドにこだわっているので、無垢材の癖や職人の作業方法やセンス一つで仕上げが少しづつ変わってきます。これがサダモクデザインの無垢材家具が『世界に一つだけの家具』と言う理由です。
【空間を広く開放的に見せる】
サダモクデザインの家具は一般的な家具のサイズ感より若干小さく作っています。例えば、ダイニングテーブルであれば、一般的な高さはH720~H740なのですが、サダモクデザインのダイニングテーブルではH700と低く設定しています。
通常の天板迄の高さを10ミリ低くするだけでお部屋の解放感が大きく変わることを実感できるのですが、サダモクデザインのダイニングテーブルだと20ミリ~40ミリも低くなるので空間の抜け量は絶大です。
ダイニングテーブルセットに付属するチェアやベンチなどもH700のダイニングテーブルでもゆったりと快適にご利用いただけるサイズ設定に仕上げているため低さや小ささを感じることはありません。
狭いお部屋であってもダイニングスペースやお部屋の広がりをより実感していただけるようにデザインと設計をしています。
ソファはローバックソファにこだわり、背面の高さを極力抑えることでお部屋の圧迫感を無くすことに成功しています。
またお部屋の中央に設置しても『カッコよく、スッキリ』と見えるように背面のデザイン性と空間の抜けを重視しています。家具下のお掃除がストレスなくできるのも魅力です。
更に全ての家具は、余分な装飾や過剰な補強を出来る限り排除することで、シンプルでスッキリとした素朴なデザインを作り上げることが出来ました。
サダモクデザインで製作する全ての家具は、高さや奥行サイズを抑えて設計しているので、空間に広がりを与えて床面積を広く見せることができます。
【建築にも精通した感性と応用】
自分とオヤジは元々大工さんだった事もあり、図面を書いたり見たりと建築にも精通しています。サダモクデザインでも店舗のデザインやプランニングをはじめ、内外装工事や住宅のリフォームなどもおこなっています。
例えば店舗導入のお客様であればオーダー什器や既存家具のご相談に始まり、ご予算に応じた改装や新装工事のプランニングのご提案をおこなっています。家具を作って送るだけではなく、プランニングをおこなうことで導線の確保や解放感をご提案しています。
サダモクデザインでプランニングと店舗の工事をおこなったお客様の中には、改装後に売り上げが150%アップしたというお知らせも頂戴しております。
住宅リフォームの場合はお客様のイメージを元に、家具が必要な場合のレイアウトやサイズのご提案、色合いのご提案などもおこなっています。建築と設計を知る『家具屋』だからこそできるご提案が可能なのもサダモクデザインの大きな魅力の一つだと考えています。
サダモクデザインの名前の由来と歴史
2014年の夏ごろに初めて作った家具を『某有名ネットオークション』で出品してみたのがきっかけで今のサダモクデザインが誕生しました。
家具の製作を始めたころは、オヤジはまだ現役の大工さんで現場仕事をおこなっていたこともあり、直美ちゃんと二人でコツコツと家具を作っていました。
最初は在庫を作っていたので3日位で発送できるくらいの受注量でしたが、3カ月も経ったころには2週間ほどにまで納期がかかるほどになってしまいました。
段々と受注量が増えてきて、いよいよオヤジを誘うことになります。ここで『サダモク』が誕生したのです。
前述の『サダモクデザインのはじまり』でも書いていますが、オヤジの名前を少しでも残せるようにと『定逸(サダイツ)木工所』を短くして『サダモク』と命名しました。
実は30年ほど前に連載されていた窪之内英策先生の『ツルモク独身寮』という漫画があるのですが、これが家具工場の独身寮が舞台の青春ストーリー的なお話だったのです。その家具屋の名前が「ツルモク家具」といいます。
実は作者が過去に務めていた『カリモク』という家具メーカーがモデルだそうです。当時中学生だった自分はこの『ツルモク独身寮』が大好きで、全巻揃えていたくらいです。
主人公は平凡な若者ですが、周りのキャラたちは個性にあふれていて癖は強いんだけど良いやつばかりです。その当時の自分には、主人公をはじめ主人公の周りがキラキラ輝いてみえました。
自分もいつかこんな仲間と一緒に仕事がしたいとさえ思わせてくれる程に影響されていました。現在、サダモクデザインには数名のスタッフがいます。まるで、『ツルモク独身寮』のキャラのように憎たらしくて個性的な奴らです。
今の自分は憧れていた『ツルモク独身寮』の世界をリアルに手に入れる事が出来ました。実際は濃いキャラの奴が多いと疲れるようです(笑)
屋号にオヤジの名前を付けようと考えた矢先に『サダモク』という響きが自然に浮かんできたのはきっと『ツルモク独身寮』に対する憧れが強く残っていたからだと思います。さて、漫画のお話はこれくらいにして話を戻しましょう。
『サダモク』で家具を作りだしたころはローテーブルだけだったのですが、作りたい欲求が強かったこともあり、プロダクトもあっという間にダイニングテーブルやAVボードが加わりラインナップが少しづつ増えてきました。
その当時はアイアンの脚部ではなく、無垢材の角材をロの字に組んでブラックに塗装した脚部をローテーブルやダイニングテーブルに採用していました。しかし、本物のアイアンへの憧れが強かったため3年後には溶接が出来る外注先を見つけてアイアンの脚部へと変更したのです。
しかし異種の素材を組み合わせることによるトラブルも多くあり、変更後の1年間は対策や改善に追われた日々を過ごします。
アイアンの脚部で家具を製造し始めた2017年のこの頃、正式に『サダモクデザイン』として屋号を掲げて本気で家具屋として名乗りを挙げました。
2017年にはヤフーショッピングに登録をおこない、初のECモールで販売を開始します。その後、2017年の秋ごろに楽天市場へ参入したことで、受注量が一気に膨れ上がりました。
2019年末にはこのオフィシャルサイトが完成して2020年1月より本格的に稼働しました。そしてオフィシャルサイトを1年間運営してきた2020年11月現在に至ります。
自分自身とスタッフの全員と愛すべきサダモクデザインの未来を見据えながら初心を思い返し、この先も忘れる事の無いようにこの記事を残していこうと思います。
商品ができるまでの流れ
ここでは家具が出来上がるまでの工程を簡単にご説明していこうと思います。
①カット作業
サダモクデザインの家具は、ご注文をいただいてから材料を選びプロダクトに合った大きさや長さでカットしていきます。
②乾燥工程
天然の無垢材は一見乾いているように見えますが、水分を多く含んでいます。水分を多く含んだ状態の材木を使うと、カビや割れねじれが大きく出てしまい、完成した家具に致命的なトラブルが発生するのです。
このカットした無垢材を時間をかけてじっくり乾燥させていくのですが、この段階で木材が縮んだりねじったり割れてきたりするのです。
『ねじれ』たり『割れ』てしまった木材はもったいないのですが省き、新たに用意します。時には短くカットして使用したりしながら、できる限りロスが出ないようにしています。
③剥ぎ張り作業
乾燥が終わった数枚の木材を張り合わせて1枚の大きめの板を作ります。これの工程を剥ぎ張りといいます。
プロダクトによっては、乾燥させた木材をそのまま使うこともありますが、大きなテーブルの天板などは数枚の板を張り合わせていかないと、面積を確保できないためです。
④面だし作業
無垢材を貼り合わせて板の奥行を大きくしたら、大きな節穴や目立つ凹凸を埋めたり削ったりします。
カンナをかけて張り合わせたときにできる段差や、大きな傷が入った表面を滑らかに削っていきます。大きな段差がなくなったら最後にサンドペーパーをかけて更に滑らかに仕上げの作業です。凹凸や引っ掛かりが無くなり、艶がでてきたら面出し作業は終了です。
⑤切り出し作業
大きめの一枚板が完成したら家具の形にカットしていきます。全てのパーツの切り出しが終わったらいよいよパーツを作ったり家具を組み立てする作業です。
⑥パーツ作り・組立作業
木材の長さや大きさが揃ったら、いよいよ家具の形に組み上げていきます。必要に応じてここでもサンドペーパーでサンディング作業やカット作業をおこないながら、家具の形を作り上げていきます。
ビスを打つ個所などに下穴をあけて組み上げていきます。この段階で、必要な箇所には塗装を施したりもします。建具の調整や金具やガラスの取り付けをおこないます。
⑦裁断・縫製作業(ソファ関連プロダクト)
ソファ関連のプロダクトでは岡山デニムなど厚めのテキスタイルを使用します。分厚い生地の裁断作業と縫製作業が必要となるため、ハサミでパーツを切り出していきます。
パーツを裁断をしたら糸がほどけない様にロックミシンをかけます。ロックミシンが終わったら直線ミシンで各パーツを縫合作業で組み合わせます。熟練の縫製スタッフが、生地を手作業で裁断してからミシンで縫製をおこなっているのです。
⑧塗装作業
組み立て作業やパーツが完成したら塗装作業に入ります。サダモクデザインがメインで使用している塗料は浸透性のオイルです。
天然由来の亜麻仁油が主体で、原材料にはホルムアルデヒド等の有害物質を一切使用していないとうたわれているワトコオイルです。この塗料は乾燥に最低でも24時間必要です。サダモクデザインでは最低3日ほど乾燥をさせています。
⑨検品作業
塗料が乾いたら、検品作業です。家具に使用に問題のある所がないかをチェックしていきます。問題点があれば必要に応じて再度削ってみたり、塗装をかけていきます。
⑩梱包作業
全てが完成したら次は梱包作業にはいります。サダモクデザインのプロダクトは、本物の無垢材を使っているので呼吸をしています。
無垢材が苦しまないように、できる限り発送直前に梱包をしてお届けするようにしております。また、過剰梱包にならない様に必要最小限で安全にお届けできるように心がけています。
⑪商品の出荷
梱包が終わったらいよいよ出荷です。運送会社のスタッフさんがトラックに積み込んで持って帰ります。
そこから皆さんのお家まで仕分けされて運ばれて行きます。
簡単に書いてもこれだけの工程があり、多くの職人やスタッフの手作業で進んでいきます。大きい家具でも、小さい家具でも、1台の家具を作り上げるのにかかる手間は同じなのです。
最後に
サダモクデザインのプロダクトがお客様の元へ届くまでには多くの人の手がかかっています。
人から人へ繋ぎ、当たり前の事を当たり前にやっていく。
カッコを付けた事もできません。
おしゃれなうたい文句も浮かびません。
量販店のように早くお届けすることができません。
でも、心を込めて製作している素朴なハンドメイド家具をお届けすることだけはできます。これが『サダモクデザイン』という家具屋の本質だと思います。
2019年12月27日
SADAMOKU DESIGN
代表 畑山 義昭